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「シビックテックフォーラム 2017」で語られた、市民・政府・企業の3つの視点で見るテクノロジーの未来 

シビックテックフォーラムで語られた、市民・政府・企業の3つの視点で見るテクノロジーの未来

 
テクノロジーを活用した市民の手による地域課題の解決、行政・政治・市民参画、そして公共とITの新しい関係などを表すキーワードとして注目されているシビックテック(Civic Tech)

聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、2013年末にナイト財団から「The Emergence of Civic Tech:Investments in a Growing Field」(シビックテックの台頭:成長分野への投資)というスライドが公開されるなど、アメリカではシビックテックの新しいエコシステムが隆盛してきています。

GovTech(Government Tech)系企業AccelaがIDCに委託して行った調査によると、アメリカの政府IT系の市場は約3兆円で、その4分の1、約8,000億円がシビックテックとのこと。

アメリカのシビックテック市場について

アメリカのシビックテック市場について

<参考記事>
$6.4 Billion to be Spent on Civic Tech in 2015, Report Says

 
そんな「シビックテック」をテーマに、2015年&2016年に続いて今年も開催されたカンファレンス CIVIC TECH FORUM(シビックテックフォーラム)2017

上記のとおり、昨年は僕も「シビックテックの資金調達環境、”今” と “これから”」というセッションで登壇させていただき、日曜の朝から200名以上の方々にご参加いただいたうえ、日頃からお世話になっている皆さんとの登壇も実現して、とても嬉しかったです。

そのご縁もあって、今年はメディアパートナーとしてご招待いただきました。ということで、昨日の熱気あふれるカンファレンスの様子をこの記事で簡単にレポートしたいと思います。
 
 

社会の課題とテクノロジーのギャップ 〜テクノロジーは課題を解決できるのか

 
会場となったのは、オープンしたばかりの永田町GRID。午前10時から始まった基調セッションは、総務大臣補佐官・太田直樹さんの登壇でした。

総務大臣補佐官・太田直樹さん

タイトルは「社会の課題とテクノロジーのギャップ 〜テクノロジーは課題を解決できるのか」ということで、地方創生、ICT、IoTの可能性と課題など。

IT総合戦略の基本的枠組み

IT総合戦略の基本的枠組みや、ICT都市バルセロナの事例紹介に続いて、会津若松市のまち・ひと・しごと創生総合戦略の話もしていただきました。

会津若松市のまち・ひと・しごと創生総合戦略

太田直樹さんからはこんな投稿も(笑)


 

インパクトを生みだすためのこれからの社会システム

 
江口晋太朗くんがインタビュアーを務めた「インパクトを生みだすためのこれからの社会システム」のセッション

短時間ながら非常に刺激的だったのが、日本ファンドレイジング協会 事務局長の鴨崎貴泰さんが登壇し、江口晋太朗くんがインタビュアーを務めた「インパクトを生みだすためのこれからの社会システム」のセッションです。

日本ファンドレイジング協会 事務局長の鴨崎貴泰さん

国内外におけるソーシャル・インパクト・ボンドの最新動向から始まり、日本独自のソーシャル・インパクト・ボンド事例として、東近江市発の補助金改革型SIBの解説も。

ソーシャル・インパクト・ボンドの最新動向

国内におけるソーシャル・インパクト・ボンドの最新動向

市民が出資者となり、補助金採択の仕組みによる成果報酬型のソーシャル・インパクト・ボンド。出資者である市民が主体者になり始めるなど、注目すべき事例だと思います。

東近江市発の補助金改革型ソーシャル・インパクト・ボンド

「インパクトを生みだすためのこれからの社会システム」セッション


 

社会的領域におけるアクセラレーターの役割、データ駆動時代に求められる行政の姿

 
「社会的領域におけるアクセラレーターの役割」のセッションでは、NPO法人ETIC.の渡邉賢太郎さんが登壇し、「日本発の社会的事業のインパクトの桁を変えたい」とSUSANOOのことを語ってくれたり。

「日本発の社会的事業のインパクトの桁を変えたい」と語るNPO法人ETIC.の渡邉賢太郎さん

NPO法人ETIC.の渡邉賢太郎さんが語るSUSANOOの実績
 
1. ソーシャルアントレプレナーを取り巻くエコシステムの現状と足りないモノ
2. 経済合理性と社会的事業のギャップは解消できるのか(するべきか)

という2つのトピックスで対談が進められたり。

「社会的領域におけるアクセラレーターの役割」のセッションにおける対談
 
また「データ駆動時代に求められる行政の姿とは?」という Local GovTech のセッションは、ヤフー株式会社 データ&サイエンスソリューション統括本部の竹田さんの登壇からスタート。

福岡におけるオープンデータの取り組み

神戸におけるオープンデータの取り組み

神戸、福岡、そしてサンフランシスコにおけるオープンデータの取り組みなどが簡単に紹介されました。

サンフランシスコにおけるオープンデータの取り組み
 
その後、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの田村浩司さんが地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」を紹介したり、神戸市データアカデミー担当の松崎太亮さんや Code for Kanagawa の牧葉子さんの登壇も。

お一人おひとりのお話、もっと詳しく聞いてみたかったなぁというのが正直なところですが(笑)、盛りだくさんのセッションでした。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの田村浩司さんによる地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の紹介

神戸市データアカデミー担当の松崎太亮さんや Code for Kanagawa の牧葉子さんの登壇も
 
ちなみにRESASに関しては、2年前に妻の茜( @AkaneSato ) がこんな記事を書いてます。Facebookのいいねが1,500以上とかなりの人気記事なので、よろしければあわせてどうぞ。


 

「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」書籍紹介・解説セミナー

 
36歳の若さでサンフランシスコ市長に選出された現カリフォルニア州副知事が著者の「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」

続いて、36歳の若さでサンフランシスコ市長に選出された現カリフォルニア州副知事が著者の「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」書籍紹介・解説セミナーもありました。

妻の茜( @AkaneSato ) がこの記事をつい先週書いたこともあり、僕にとってもとてもタイムリー。

登壇されたのはこの本の監訳者であり、早稲田大学政治経済学術院教授の稲継裕昭さん。

早稲田大学政治経済学術院教授の稲継裕昭さんによる「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」書籍紹介・解説セミナー
 
興味深い事例が数多く取り上げられていたので、投影されたスライドをいくつかピックアップして紹介させていただきます。

ガバメント2.0 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

市民政府へ 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

米連邦政府 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

クライムスポッティング 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

Challenge.gov 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

市民参加型予算編成 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

ガバメント2.0の実現による市民生活の充実 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より 
中でも僕が一番気に入っている事例は、「政治への参加を面白い体験、楽しめる体験にしたい」ということで開始された「メイナー・ラボ」です。

メイナー・ラボ 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

22歳で市のCIOに就任したダスティン・ハイスラーが立役者。

メイナー・ラボの立役者ダスティン・ハイスラー 「未来政府 〜プラットフォーム民主主義」より

市民の参加と市の課題の解決まで、全ての過程がオープンになった面白い取り組みですよね。

未来政府 」、ご興味をお持ちになった方はぜひ読んでみてください。


 

シェアリングエコノミーがもたらす地域の変化

 
シェアリングエコノミーの世界動向

そしていよいよ、今年のシビックテックフォーラムにおける最後のセッション。タイトルは「シェアリングエコノミーがもたらす地域の変化」でした。

「シェアリングエコノミーがもたらす地域の変化」のセッション

このセッションの登壇者は、Airbnb Japan 公共政策担当部長の山本美香さん、釜石市 オープンシティ戦略室 室長の石井重成さん、そしてシェアリングエコノミー協会 事務局長の佐別当さんと、以前からプライベートでもお世話になっている方ばかりです。

Airbnb Japan 公共政策担当部長の山本美香さん、釜石市 オープンシティ戦略室 室長の石井重成さん、そしてシェアリングエコノミー協会 事務局長の佐別当さんたちが登壇者
 
セッション中に Airbnb Japan 山本さんが紹介していたこの動画、僕は見たことがなかったので、知れてよかったなぁ。

日本国内における Airbnb の状況についても。

Airbnb Japan 山本さんより

山本さん、ありがとうございます!
 
また、石井さんの釜石におけるご活躍はオンラインでずっと拝見してましたが、こうして直接会ったのは、彼が釜石に行く前のタイミング以来だったことが判明(笑)でも、久々にお会いできてよかったです。

釜石市オープンシティ戦略

釜石市オープンシティ戦略にはこれからも注目ですし、実際に訪れてみたいなぁと改めて思いました。
 
 

企業、行政、非営利組織の垣根を超えて活躍するトライセクター・リーダー

 
ということで、日本のトップランナーが一堂に介し、ここでしか聞けない最新動向とともに、気づきや出会いがあふれる場となりました。

運営委員の皆さんをはじめ、シビックテックフォーラム 2017でお会いした方々、ありがとうございました!
 
そして改めて。

政府にしか解決できない課題は年々減っており、民間や個人が関わり、解決する課題が増えてきていると感じます。また、グローバル化等でビジネスが複雑化し、企業間の競争も激化しているために、必要とされる人材の幅も広がっています。

企業、政治・行政、非営利組織の境界は年々曖昧になってきており、持続的な発展のためには全てのセクターでの知見を集結させることが必要になってきているのだと思います。

企業、政治・行政、非営利組織の垣根を超えて活躍するトライセクター・リーダー(Tri-sector Leader)とは? より

妻の茜(@AkaneSato)もこう書いてますが、多くの社会課題の解決は、組織・セクターの壁を越えた協働なしには実現しないでしょう。

僕もビジネスとしては引き続きループスで、NPOとしてはソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)やETIC.で。また個人としても、妻の茜(@AkaneSato)の専門分野とも関わりながら、セクターを越えて価値を出していけるよう、これからも夫婦で頑張ります。

<過去に書いたシビックテックに関するイベントレポート>

社会起業家やソーシャルベンチャーの資金調達戦略、「今」と「これから」【シビックテックフォーラム 2016 イベントレポート】(2016年3月)

シビックテックにおける2015年の振り返りと2016年に注目すべき8つのキーワード(2016年1月)

社会的インパクト投資、シェアリングエコノミー、代表制民主主義…世界の事例に学ぶシビックテック最前線(2015年11月)

世界の最新事例が結集したPersonal Democracy Forum帰国報告会 〜テクノロジーで変える政治と市民社会(2015年7月)

シビックテックフォーラムで語られたスタートアップの育成環境、シビックテック大国のエコシステムづくり(2015年3月)

 
皆さんと一緒に、シビックテックの機運をこれからもさらに盛り上げていきたいと思っているので、引き続きどうぞよろしくお願いします!

もちろんその他でも、何かご一緒できそうな機会があれば、これからもぜひお気軽にお声がけください〜!
 


 
なお、この「シビックテックフォーラム 2017」のセッション動画は、すでにアーカイブがアップされてます。この記事ではエッセンスしかご紹介できていないので、セッション内容全体はこの動画をご覧いただければ幸いです。


 
 
<NPOのWebマーケティングに関して>

以下は以前講演させていただいたNPOサマースクールのスライドです。微力ではありますが、できる範囲でNPOの方々のお力になれればと思っていますので、何かあればいつでもお声がけください。

NPOサマースクール 公開用資料
 
 
<今回の内容と近いテーマの記事>

政治とマーケティングについて知るための本まとめ

世界の潮流やNPOの先進事例など66セッションに注目! アジア最大の「ファンドレイジング日本2017」【イベントレポート】

人生100年時代の生き方と働き方。ライフ・シフト〜100年時代の人生戦略(書評)

現代マーケティングの父フィリップ・コトラー教授を迎えて開催された「国際平和のための世界経済人会議」【イベントレポート】

Twitter JapanのNPO向けセミナー「NonprofitsとTwitter」【イベントレポート】

NPOアカデミーに登壇しました! フローレンス、かものはし、e-Education、PLASのWebマーケティング事例をご紹介

NPO法人 e-Education とソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)、2年間にわたる協働を終えて

NPOマーケティング、夫婦未来会議、ソーシャルアパートメント…多くの進展があった1年間

AsMama、チャリティーサンタ、ピリカ、Coaido、つくばアグリチャレンジ。SVP東京の投資・協働先が決定!

テクノロジーやニューメディアで世界的な社会課題をいかに解決できるか。「Social Good Summit(ソーシャルグッド・サミット)」東京ミートアップ【イベントレポート】

社会課題の解決に取り組むキャンペーンの企画展「世界を幸せにする広告 ―GOOD Ideas for GOOD―」

コミュニティマネージャー・ミートアップで語られた欧米の最新トレンド、6000人のコミュニティからの学び【講演スライドまとめ】
 
 

加藤たけし&佐藤茜(@AkaneSato)夫婦2人の情報発信

インターネット、マーケティング、テクノロジー、コミュニティデザイン、NPO、地域活性、海外、新しい働き方などのテーマにおいて、加藤たけし&佐藤茜( @AkaneSato )の夫婦2人で情報発信しています。

更新情報は以下からもぜひ。
 

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これからもできる範囲で記事執筆を頑張りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


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About The Author

加藤 たけし

ソーシャルメディアのビジネス活用コンサルティングを手がける株式会社ループス・コミュニケーションズ所属。ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)パートナー。日本最大規模の読書コミュニティ・読書朝食会”Reading-Lab”(通称リーラボ)発起人 。1983年生まれ。2006年SFC卒。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」 より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓

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