もくじ
スタートアップ都市推進協議会シンポジウム「ジャパン・スタートアップ・セレクション」
スタートアップ都市づくりに先進的に取り組んでいる全国の8自治体が主催するシンポジウム「ジャパン・スタートアップ・セレクション」に参加してきました。
約8時間にも渡る長丁場だったこともあり、全てのセッションに参加することは残念ながらできなかったのですが、参加した以下2セッション内容をダイジェストでお届けしたいと思います。
<シンポジウム第一部:トークセッション>
”国家戦略特区” 福岡を事例に考える官・民、国・地方の果たすべき役割
・内閣府副大臣 平 将明 氏
・エバーノート日本法人会長 外村 仁 氏
・福岡市長 高島 宗一郎 氏
・グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 堀 義人 氏<シンポジウム第二部:7自治体の首長リレースピーチ>
地方発、同時多発的なスタートアップ都市づくり
・三重県知事 鈴木 英敬 氏
・広島県知事 湯崎 英彦 氏
・千葉市長 熊谷 俊人 氏
・浜松市長 鈴木 康友 氏
・横須賀市長 吉田 雄人 氏
・奈良市長 仲川 げん 氏
・福岡市長 高島 宗一郎 氏
スタートアップ都市推進協議会シンポジウム、グロービス東京校で開催中!オープニングは、福岡市長 髙島宗一郎氏、地方創生担当大臣 石破茂氏、経済同友会代表幹事 長谷川閑史氏、そして飛び入りで安倍昭恵 首相夫人! pic.twitter.com/8n5qNKallV
— Hiroyasu Mizuno (@hiromizu) 2014, 12月 21
シリコンバレーや福岡のエコシステム、官・民・国・地方の果たすべき役割
「”国家戦略特区” 福岡を事例に考える官・民、国・地方の果たすべき役割」がタイトルのこのトークセッションでは、平 将明 副大臣、Evernote日本法人会長の外村さん、そして福岡市長 高島さんが登壇し、グロービス堀さんがモデレーターでした。
セッションの最初に、国家戦略特区に選ばれた福岡市の事例を高島市長からプレゼン。福岡の特区の柱として「創業の支援」と「MICE(※)の誘致」があること、ソフトとハード両面からの支援について、道路使用や航空法の規制緩和の話など、幅広くご紹介いただきました。
たしかに、「都市と空港が近い」というのは福岡の大きな特徴ですし、その強みを最大限に活かすための規制緩和は重要ですよね。
(※)MICE:Meeting(ミーティング)、Incentive(インセンティブ)、Convention(コンベンション)、Event(イベント) / Exhibition(エキシビジョン)の頭文字を並べた単語。
また、2014年10月にオープンしたばかりの「福岡市スタートアップカフェ」の取り組みも印象的でした。女性や高齢者にとっても「スタートアップ」「起業」が身近になってきており、なんと最高齢は82歳!
近々また福岡に行って現地を訪れてみたいなぁ。
<参考URL>
■ 福岡市、創業特区としての次の一手へ。スタートアップを目指す人たちの創発を生み出す「スタートアップカフェ」をオープン
わずか半年強で78ものプロジェクトを進めたという福岡市。短い時間ながら、その熱気と「ワクワク感」が十分に伝わってくる素晴らしいプレゼンでした。
午後からはスタートアップ都市推進協議会。
石破大臣・経済同友会の長谷川代表幹事の挨拶、平副大臣・エバーノート日本法人の外村会長・福岡市の高島市長・グロービス堀代表のディスカッション、各都市の企業経営者とのマッチング交流会など pic.twitter.com/Dlj3zfRazu
— 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) 2014, 12月 21
その後、平 将明 副大臣、Evernote日本法人会長の外村さん、グロービス堀さんが登壇し、このセッションのメインパートへ。
まず平 副大臣からは「地方創生の柱になる “国家戦略特区” と “起業・スタートアップ” を両方やってもらっている。ワクワク感もあるし、ぜひベストプラクティスをつくってほしい。」という福岡市への期待が語られました。
個人的にもすごく嬉しかったのは、「得意な人に任せることが重要。たとえば人材のマッチングであれば、役所や商工会議所がやるのではなく、ノウハウがたまっているETIC.の宮城さんに任せた方がいい」という言葉です。
会場にETIC.の方、非営利セクターの方がどれだけいたかはわかりませんが、僕は一人で、胸の高鳴りを感じながらソワソワしてました(笑)
また外村さんからは、シリコンバレーの生態系に長年身を置いている立場から「日本ではどうやっていくべきか」というメッセージがありました。
大企業に囲われている優秀な人材が持つイノベーションのポテンシャルとともに、生態系をつくっていく上で「特に行政については、日本では余計なお世話が本当に多過ぎる。まさに “転ばぬ先の杖” 症候群。中途半端でも不十分でもまずやってみて、違ったら直せばいいというカルチャーにしていく必要がある」というのは、まさにこの日のイベントのような場でもっと問題提起されるべきトピックスだと思います。
総務省が主催した「異能(inno)vation」の審査員もやった外村さんが言うように「国が “異能なことは良いこと” と認めたのは大きな前進」だというのもすごく納得。2日前に日本でも初開催された「失敗力カンファレンス」とあわせて、少しずつ世の中は動いてきてますよね。
<参考URL>
セッションの最後、高島さんから「旗を立て、裾野を広げるのは行政の役割。そういう雰囲気、ワクワク感を日本中につくっていきたい」という力強いメッセージがありました。福岡、住みたくなる!
7自治体の首長リレースピーチで語られた「地方発、同時多発的なスタートアップ都市づくり」
シンポジウム第二部は、「地方発、同時多発的なスタートアップ都市づくり」をテーマに、7自治体の首長がリレースピーチ。以下7名が持ち時間3分厳守でプレゼンです。
どの自治体もインターネット上ではよくニュースを目にしますし、話に聞くことも多いのですが、実際に知事・市長の方々からこうしてプレゼンを聴けるのは貴重な機会だったなぁ。千葉、横須賀は都内からも近いし、他の地域もやっぱり行かなきゃ!という思いを新たにする濃密な20分でした。
<参考URL>
■ 「幕張」を活かしきれていなかった千葉市 法人市民税やハラールで「攻めの自治体」に 千葉市・熊谷俊人市長に聞く市政改革の足跡
スタートアップ都市推進協議会シンポジウム、第2部「首長リレースピーチ」の登壇首長の皆さん pic.twitter.com/jP5HnAy6GS
— Hiroyasu Mizuno (@hiromizu) 2014, 12月 21
スタートアップ都市推進協議会の第二部首長リレースピーチが始まった。今、三重県知事の鈴木英敬さんがスピーチしている最中。次は、広島県湯崎知事、千葉市熊谷市長、横須賀市吉田市長、奈良市仲川市長、浜松市鈴木康友市長、福岡市高島市長と続く。 pic.twitter.com/wl1c8x7Uhr
— 堀義人/Yoshito Hori (@YoshitoHori) 2014, 12月 21
8県市と経済同友会のコラボ事業です。@naracity_market: 参加自治体によるリレートーク。各自治体のスタートアップについて3分でお話いただきました。奈良市もスタートアップの現状と今後について、仲川市長が熱く語りました。 pic.twitter.com/C7wOhAueK9
— 仲川げん(奈良市長) (@nakagawagen) 2014, 12月 21
企業、政府、非営利組織の垣根を超えて「トライセクター」で活躍するということ
あっという間の濃密な90分で、残念ながら会場から離脱してしまったのですが、FacebookやTwitterで探してみても、このイベント内容の情報はあまり発信されていないようです。300名以上の方々が参加していたみたいだし、せめてハッシュタグがあれば良かったんだけどなぁ…と思ってしまいました。
以下、発見できたツイートをいくつか。
スタートアップ都市推進協議会シンポジウムは、300名超が集まる満員御礼の大イベントに!テレビカメラも2局入りました! pic.twitter.com/y7sFGagmXB
— Hiroyasu Mizuno (@hiromizu) 2014, 12月 21
石破大臣、登場。本日、スタートアップ都市推進協議会のビッグイベントがグロービスでスタート! pic.twitter.com/pKZ5395IOQ
— 堀義人/Yoshito Hori (@YoshitoHori) 2014, 12月 21
安倍昭恵さんが、スタートアップ都市推進協議会に飛び込みでご挨拶をいただけました。ありがたいです。 pic.twitter.com/uJRRhT6llt
— 堀義人/Yoshito Hori (@YoshitoHori) 2014, 12月 21
グロービス堀さんも写真つきでツイートしてくれてますね。
スタートアップ都市推進協議会シンポジウムのパネル「ベンチャー×自治体が切り開く未来」ランサーズ秋好社長、エス児玉社長、Vcube間下社長、湯崎広島県知事、日本GE安淵社長。先月NHKサキどりで小生も言ったように、可能性ありで面白い pic.twitter.com/t40FZvirol
— 本荘修二 (@shonjo) 2014, 12月 21
最後のセッションに関して、本荘さんもツイート。
ということで、非常に簡易なものではありますが、「参加したかったけどできなかった!」「そもそも存在を知らなかった…」という方々にお届けできればと思い、このイベントレポートを書きました。
(移動中にサクッとなので、十分なレポートができずにすみません)
少しでも皆さんのお役に立つ記事になっていれば嬉しいです。
この記事の最後になりますが、こういう場にもっと若手や女性が出てきて、多様性を感じさせてくれるようにならなきゃいけないなぁと改めて感じました。僕ももう30歳を超えているので、若手と言えるかどうかは正直わかりません…でも、登壇者はもちろん、参加者の中にも20代はほぼいなかったかと思いますし。
年齢や性別はもちろん、ビジネスセクター、政府・行政、そして非営利の垣根を超えてトライセクターで活躍する人材の重要性もさらに高まるはずですよね。若手からもそういうプレイヤーがもっともっと出てくるように、そしてそのための一助になれるように。僕もこれからも頑張りたいと思います。
<参考URL>
■ 企業、政府、非営利組織の垣根を超えて活躍するトライセクター・リーダー
<今回の内容と近いテーマの記事>
■ NPOマーケティング、社会起業家支援、トライセクターなど、いま注力したいこと
■ 社会的インパクト投資、シェアリングエコノミー、代表制民主主義…世界の事例に学ぶシビックテック最前線【イベントレポート(講演スライドつき)】
■ フローレンス、Teach For Japan、クロスフィールズ、HRW、そして米倉誠一郎先生が語る「NPOの事業モデル」と「今後の展開」【イベントレポート】
■ 世界の最新事例が結集したPersonal Democracy Forum帰国報告会 〜テクノロジーで変える政治と市民社会【イベントレポート】
■ シビックテックフォーラムで語られたスタートアップの育成環境、シビックテック大国のエコシステムづくり【イベントレポート】
■ テクノロジーやニューメディアで世界的な社会課題をいかに解決できるか。「Social Good Summit(ソーシャルグッド・サミット)」東京ミートアップ【イベントレポート】
■ コミュニティマネージャー・ミートアップで語られた欧米の最新トレンド、6000人のコミュニティからの学び【講演スライドまとめ】
加藤たけし&佐藤茜(@AkaneSato)夫婦2人の情報発信
インターネット、マーケティング、テクノロジー、コミュニティデザイン、NPO、地域活性、海外、新しい働き方などのテーマにおいて、加藤たけし&佐藤茜( @AkaneSato )の夫婦2人で情報発信しています。
更新情報は以下からもぜひ。
Follow @takeshi_kato
Follow @AkaneSato
← RSS登録はこちら
この記事を執筆した加藤たけしの詳細なプロフィールはこちら。
最後になりますが、この記事の内容に共感していただけた場合は、Facebook、Twitter、Google+、はてブ等でお知り合いの方に共有いただけると嬉しいです!これからも記事執筆をできる範囲で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。