アメリカ発社会起業支援プログラム「Unreasonable Institute」がアクセラレーターを日本で展開
100日間に渡って11の社会起業家が一つの船に乗って世界一周し、トップクラスのメンターと交流しながら世界の問題解決を図ったプログラム「Unseasonable at Sea」をご存じでしょうか。
世界100カ国から約1,000もの応募があり、その中から選抜された社会起業家たちが14カ国に渡航。各国の政府高官と交流したり、数百人もの投資家の前でプレゼンを行い、各国の最も高く評価されている起業家と交流したプログラムです。
■「Unseasonable at Sea」の紹介動画
しかも、彼らにとっての最初の渡航先は日本でした。もう2年半以上前になりますが、彼らが熱い想いを語るプレゼン大会 Unreasonabe Tokyo が東京で開催され、200名以上が参加したイベントもあったので、その当時をご存じの方もいらっしゃることでしょう。
僕自身も当時、こんなイベントレポートを書きました。
<イベントレポート>
■ Unreasonable Tokyo(世界100ヶ国から選抜された社会起業家のプレゼン大会)に参加してきた
そして今回、累計96億円を集めたアメリカ発社会起業支援プログラム「Unreasonable Institute」が世界8カ国でアクセラレーターを実施する運びとなり、日本でも「Unreasonable Lab Japan」が開催されています。
厳しい選考をくぐり抜けた11組の社会起業家たちが、成長するためのビジネスモデルを見つめ直す「ビジネスモデル検証ラボ」に挑んでいる真っ最中とのこと。
「”Unreasonable(一見合理的でない)” な挑戦により、日本の大きな社会課題の解決に取り組む起業家たちを応援したい!」という想いで始動したという今回の「Unreasonable Lab Japan」のプログラム。
その5日間のプログラムの4日目、10月24日の夜に開催された Unreasonable Lab Japan Launch Night にご招待いただいたので、その様子を簡単にレポートしようと思います。
Coaido、UPTREE、防災ガールなど、11の社会起業家が登壇したショートプレゼンテーション
イベントのハイライトは、11の社会起業家が登壇したショートプレゼンテーションです。1団体あたり2分間という、非常に限られた時間の中で熱い想いを語ってくださったスタートアップの皆さん。どのプレゼンも非常に興味深く、刺激的でした。
#unreasonabletokyo 参加スタートアップによるショートプレゼン pic.twitter.com/HdWXqmMMKl
— UnreasonableJapan (@UnreasonableJP) 2015, 10月 24
#unreasonabletokyo 参加Startupによるショートプレゼンテーションの様子 pic.twitter.com/vtuTc1SqUw
— UnreasonableJapan (@UnreasonableJP) 2015, 10月 24
#unreasonabletokyo 参加Startupによるショートプレゼンの様子 pic.twitter.com/fk4Nv4kmEE
— UnreasonableJapan (@UnreasonableJP) 2015, 10月 24
11のスタートアップの中でも、個人的に特に注目したのは、Coaido、UPTREE、そして防災ガールです。
AEDと救命ボランティアの仕組みをITベースで公共インフラとして整え、心停止による突然死を減らすことに挑戦している Coaido(コエイド)は、僕がパートナーとして活動しているソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)の今年度の投資・協働先です。
<参考記事>
■ AsMama、チャリティーサンタ、ピリカ、Coaido、つくばアグリチャレンジ。SVP東京の2015年度投資・協働先が決定!
代表の玄正さんのお話は何度かお聞きしてますが、会場の皆さんの反応からも、その注目度の高さが伺えました。
ご興味をお持ちになった方は、「年内にも心停止者の救命1号が出る―「コエイド」はハッカソンから生まれた救命サービス」というタイトルで掲載されたTechCrunchの記事もご一読いただければ嬉しいです。
また、 介護者支援、介護者教育に取り組む UPTREE(アップツリー) のプレゼンも、想いの込められた熱いものでした。介護離職や介護うつが急増しているからこそ「介護者手帳」が必要で、介護者手帳によって介護離職率を下げるとともに介護うつを減らすことができるとのこと。
高齢化が今後さらに加速し、社会からのニーズも益々高まると思われるUPTREEの取り組み、これからも注目です。
そして 防災ガール については、友人の田中美咲さんが代表を務めていることもあり、以前からずっと応援しているプロジェクトです。今回の「Unreasonable Lab Japan」のプログラムで新たな課題を発見し、早速プロトタイピングを進めているとのこと。
NPO法人ETIC.の起業家支援プログラム「SUSANOO」の1期生でもある防災ガール、さすがのスピード感ですね。微力ながら、これからも引き続き応援したいと思います。
<参考記事>
■「スタートアップの面白さは、すぐ決断できて、好きな人と仕事できること」防災ガール代表・田中美咲さんインタビュー | DRIVE
(10月25日6時追記)
防災ガールがベストプライズである「スマートニュース賞」を受賞! スマートニュースの100万円分の広告枠を獲得しました。
スマニュー川崎さん&望月さんとの記念写真、いいですね。田中美咲さん、おめでとうございます!!
【防災ガールがスマートニュース賞をいただきました!】Unreasonable labs Japan 2015の採択されたスタートアップ11社が約180人の方々に向けて2分で事業プレゼンテーションをさせていただいたのですが、その中でのベス…
Posted by 田中 美咲 on 2015年10月24日
”Reasonable”なことだけでは世界は変えられない。“Unreasonable”なことで世界を変えていこう。
またイベントの前半には、Mistletoe Inc. 創業者・CEO、Movida Japan 創業者・CEOである孫 泰蔵さん、そしてUnreasonable Group 代表のDaniel Epstein氏によるトークセッションも。人をつなげることの大切さを改めて実感する時間でした。
そして、トークセッションを聴きながら2年半前のことを振り返っていたのですが、僕にとって当時、非常に印象的だったフレーズを思い出したので、ここでご紹介しようと思います。
「”Reasonable(合理的)”なことだけでは世界は変えられない。“Unreasonable(一見合理的ではない)”なことで世界を変えていこう。」
「変革を求めるのであれば、これまでと違うこと、人と違うこと、新しいことをしなければなりません。変革を求めるのであれば、Reasonableな人ではなく、Unreasonableな人に賭けていくべき。」
このようなことを、Daniel Epstein氏は2年半前に語ってくれました。
常識や先入観の枠を取り払って新しい発想から問題解決をはかり、多くの人たちと共有・協働すること。
そんなことから少しずつ、世界は変わっていくはず。僕もそう信じています。
そんな想いを込めて、このイベントレポート記事をまとめさせていただきました。貴重な場に招待してくださった竹村さん、ありがとうございました!
<NPOのWebマーケティングに関して>
以下はNPOサマースクールの講演スライドです。微力ではありますが、できる範囲でNPOの方々のお力になれればと思っていますので、何かあればいつでもお声がけください。
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