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プロボノ 〜スキル・ボランティアという新しいスタイル〜

 
プロボノという言葉をご存知でしょうか。仕事で培った専門知識や経験を活かしてNPOを支援するボランティア活動全般、またそれに参加する専門家自身を指す言葉です。語源はラテン語で「公共善のために」を意味する”pro bono publico”の略だと言われています。

プロボノという言葉をご存知の方にとっては、最初に思いつくと思われるのは、中間支援型NPOのサービスグラント。「2010年はプロボノ元年」とし、スキル・ボランティアという新しいスタイルを提唱したサービスグラントによって、プロジェクト総数100の突破(おめでとうございます!)を記念して開催された「プロボノシェアター 2013」に参加してきたので、当日の様子をレポート記事としてまとめてみようと思います。


 

みんなでシェアする社会課題

 
「プロボノシェアター 2013」は、物語形式で社会課題を様々な視点からコンパクトに伝え、皆で共有するイベント。シェアターとは「シェア」と「シアター」を合成した造語のようです。

講演でもない、パネルディスカッションでもない、ワークショップでもない…物語形式で構成された凝縮された時間の流れの中で、取り上げるテーマを、参加者にハートで感じてもらうこと。それこそがプロボノシェアターの目指すところだそうです。

社会課題に立ち向かう数多くのNPOを支援してきたサービスグラントらしい、非常にユニークでソーシャルな表現だなぁと感じました。
 

この「プロボノシェアター」で取り上げられた5つのテーマはこちら。

<児童養護>
親の離婚や貧困・虐待で家族と暮らせない子ども達がいます
登壇NPO:NPO法人ブリッジフォースマイル

<不妊>
男性にも増えている不妊。決して特別なことじゃない
登壇NPO:NPO法人Fine

<路上生活者>
若者・女性が増えてる?統計に乗らない実態
登壇NPO:NPO法人TENOHASI

<労働問題>
1人で頑張りすぎていませんか?
登壇NPO:NPO法人労働相談センター

<人権>
人権侵害から人々を救うために、国を動かすという戦略?
登壇NPO:NPO法人ヒューマンライツ・ナウ

 

これら5つの社会的課題に焦点を当て、NPOが訴えたいメッセージを発信。また、実際にそのNPOでプロボノに取り組んだプロボノワーカーが、その活動を通じて実感した問題点や得られた気づきなどを、事実に基づくエピソードを交えて伝えてくれました。

その様子を写真を中心にアップさせていただきます。
 
 

プロボノシェアターの様子を写真中心でレポート

 

開幕とともに流されたオープニングムービー。
サービスグラントがこれまでにプロジェクトで支援してきたNPOの名前が並びます。

 

オープニングムービーが終わると会場内は真っ暗。
壇上にスポットライトが当てられ、物語形式で登壇者が語り始めました。
この「物語形式」がプロボノシェアターの最大の特徴でしょう。

 

児童養護施設から社会へ巣立つ子どもたちを応援するブリッジフォースマイル。
児童養護施設に入る理由の1位は「親からの虐待」であること、
そして社会的養護の必要性をメッセージとして伝えてくれました。

 

ストーリーの途中には、サービスグラントによる解説も入ります。

 

人権侵害をなくすための取り組みを紹介してくれたヒューマンライツ・ナウ。

 
今回シェアされたテーマは前述のとおり、「児童養護」「路上生活者」「労働問題」「人権」、そして「不妊」です。


 
この「不妊」というテーマについては、NHKのクローズアップ現代で取り上げられるなど、「卵子の老化」がかなり話題になったことをご存知の方も多いかと思います。卵子の老化も含め、当事者とそうでない人との意識ギャップが特に大きいのが不妊の問題かと思い、このブログでも少し詳しくご紹介させていただきます。

<参考URL>
産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~ – NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3158.html

 

日本で不妊症に悩むカップルは6組に1組と言われています。
何らかの不妊治療を受けている人は50万人近いという推測も。

 

不妊は女性側の問題だとみなされがちですが、男性不妊も決して少なくないようです。
精子減少症や精子無力症など。
不妊は男女を問わず、深刻な問題となりつつあります。

 

現在・過去・未来の不妊体験者を支援するNPO法人Fine理事長松本亜樹子さん。
「不妊」は 「少数の人の特殊な問題ではない」ということを語ってくださいました。

 
僕にとってもすごく印象的だったのは、体外受精などの生殖補助医療によって誕生した赤ちゃんは年間28,945人(2010年)を数え、出生児全体の37人に1人以上にまでなっているということです。体外受精は成功する・しないに関わらず1回50万円ほどはかかりますし、積み上がる治療費が100万円を超えている割合も約50%に上るとのこと。

しかし、昔は10組に1組だった不妊カップルが今では6組に1組に増えており、上記のような数字も出ているにも関わらず、「不妊」や「不妊治療」がまだまだ社会全体に正しく理解されていない現状があるかと思います。
 
不妊は単なる事実であって、罪悪感や劣等感を抱くべきことでも恥ずべきことでもなく、もちろん決して同情されることでもないはずです。しかし、当事者は不妊であることをなかなか周囲に告白できず、相談者もいないまま、全ての問題を心の中に抱え込まざるを得ない現状があるようです。

NPO法人Fine理事長である松本亜樹子さんからは、その社会的課題を解決するために「不妊体験者をつなげることによって何かを変えていきたい」という強い想いを感じました。
 
ポジティブな話としては、高島屋やキヤノンなど、「不妊治療休暇」を新設する企業も徐々に増えてきているということ。30代〜40代という働き盛りの貴重な人材が、子どもを授かる前から長期間離れるというのは、企業側にとっても低いハードルではありません。「不妊」や「不妊治療」がもっと正しく理解される社会に向けて、少しずつ進んでいるのでしょう。

僕にとっても、Fineは今回初めて知ったNPOです。これから、可能な範囲で応援していければと思っています。僕ら夫婦も将来的には子どもがほしいと思っているので、まずは自分自身も飲酒を控えること、冷え対策、健診などですね。男女を問わず重要なことです。
(僕たち夫婦は吸いませんが、喫煙も!)

■追記(2013/02/05)

登壇されたFine理事長松本亜樹子さんがブログをアップ!
「不妊の現状を伝えたら ~プロボノシェアター~ / NPO法人Fineブログ」
http://blog.livedoor.jp/npofine/archives/65705184.html

サービスグラントのサイトにも当日のレポートがアップされてました。
「プロボノシェアター2013&ダイアログパーティー ダイジェストレポート」
http://www.servicegrant.or.jp/event/index.php?id=65

 
 

NPOを支援する中間支援型NPOサービスグラント

 
ということで、プロボノシェアターの様子を写真中心でレポートさせていただきました。シェアターの最後に、このイベントを企画したサービスグラントの職員さん&インターン生の皆さんからのメッセージも。

サービスグラントにかける想いを語る関西事務局長の岡本さん
 
サービスグラント関西事務局長の岡本祥公子(さよこ)さん、実は僕のSFC時代、テニスサークルの2つ上の先輩です。

2年ほど前、彼女がサービスグラントに転職したのはもちろん知っており、イベントなどでもちょくちょく顔を合わせていたのですが…彼女の想いをちゃんと聞く機会は意外となかったので、かなり胸が熱くなりました。持ち時間の2分間はオーバーしたようですが(笑)まぁ、それも含めてさよこさんのご愛嬌ということで(^^;)
 

プロボノシェアターの最後はやはりこの人、
サービスグラント代表の嵯峨さんです。

 
僕は残念ながら、別会場に移動してからのダイアログパーティーには参加できなかったのですが、帰り際にブリッジフォースマイルが運営するシェアハウスに入居する社会人の方ともお会いできました。

児童養護施設や自立援助ホーム退所者を入居対象者とするシェアハウスに、日常の生活面での困りごとや家事をサポートする側の社会人として入居している方で、毎日がとても充実しているとのこと。
 
少ししかお話しできなかったので、また別の機会をつくってゆっくりお話を聞かせていただきたいなぁと思いましたし、素敵な出会いになりました。

<参考URL>
スマイリングプロジェクト | Bridge For Smile(ブリッジフォースマイル)
http://www.b4s.jp/activity/smiling/

 

2時間という非常に短い時間ではありましたが、「プロボノシェアター 2013」は僕にとって非常に刺激的で、有意義な時間となりました。このイベントレポートが、プロボノシェアターをご存知なかった方・残念ながら不参加となった方にとって、何かしらの参考になるものであれば幸いです。

もちろん、プロボノシェアターに参加した方にとっても、振り返りのための一助となれば!

 
この写真は、200名以上が集まったプロボノシェアターの集合写真です。素敵な1枚!改めて、素敵なイベントを企画してくださったサービスグラントの皆さん、登壇されたNPOやプロボノワーカーの皆さん、ありがとうございました! 僕もこれからも、可能な範囲で関わらせていただく予定です。
 
 
最後に。

プロボノに興味をお持ちの方、サービスグラントに興味をお持ちのNPO関係者の方はぜひ、以下URLより「プロボノワーカー説明会」「NPO向け説明会」に足を運んでみてください。僕は今回「プロボノワーカー説明会」に参加したので、「スキル登録」をしてみようと思います。

「プロボノワーカー説明会」「スキル登録」「NPO向け説明会」はこちらから。
http://www.servicegrant.or.jp/

 
 

プロボノやNPO関連のオススメ書籍

 

<関連記事>

2010年は“プロボノ”元年 – プロボノフォーラム
http://servicegrant.or.jp/probono/

シアワセ最大化~新しい働き方「プロボノ」とは?:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20091102/208673/

 
 
<NPOのWebマーケティングに関して>

以下はNPOサマースクールの講演スライドです。微力ではありますが、できる範囲でNPOの方々のお力になれればと思っていますので、何かあればいつでもお声がけください。


NPOサマースクール2015 公開用資料
 
 

<今回の内容と近いテーマの記事>

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加藤たけし&佐藤茜(@AkaneSato)夫婦2人の情報発信

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これからもできる範囲で記事執筆を頑張りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


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About The Author

加藤 たけし

ソーシャルメディアのビジネス活用コンサルティングを手がける株式会社ループス・コミュニケーションズ所属。ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)パートナー。日本最大規模の読書コミュニティ・読書朝食会”Reading-Lab”(通称リーラボ)発起人 。1983年生まれ。2006年SFC卒。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」 より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓

8 Responses to NPOが取り組む社会課題を物語形式でシェア!「プロボノシェアター 2013」で取り上げられた5つのテーマ【イベントレポート】

  1. 松本亜樹子 より:

    加藤さま、こんな風に取り上げてくださって、本当にありがとうございます!
    Fineのウェブサイトもあちこち丁寧に見てくださったことが、よくわかり
    感動しています! 本当にありがとうございます。
    「不妊」が「単なる事実のひとつ」として、(当事者自身も)とらえられる社会になるよう、引き続き、コツコツ活動を続けていきます。
    これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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