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■僕のNPO支援のメインテーマのひとつ「教育」

 
僕が2013年4月から注力していることの1つに、NPO支援があります。社会的な課題を解決するために、NPOに所属するのではなく、NPOを支援する個人として関わらせていただいているケースが多いです。(NPOとして活動しているのはSVP東京のみ)

<参考記事>
「速く行きたいのなら、一人で行け。遠くへ行きたいのなら、みんなで行け。」
僕が最近関わっている4つのNPO
http://atcafe-media.com/2013/11/26/make-the-world-a-better-place/

 
平日朝晩や週末など、自分自身のプライベートの時間の多くを使って、NPO支援の活動に取り組んでいるのですが、その際のテーマの一つは「教育」。上記参考記事でいえば、子どものためのキャリア教育に取り組む キーパーソン21 、そして途上国の教育課題を若者の力で解決することを目指す e-Educationプロジェクト の2団体は、まさにこの「教育」というテーマがど真ん中な団体です。

1月18日(土)に開催された今回のイベントはe-Educationが共催するイベントということで、僕も参加してきました。せっかくですし、簡単なイベントレポートとして記事をまとめさせていただきます。
 
 

■日本も、世界も変える、教育モデルを考えよう!

 
今回のイベントのタイトルは「日本も、世界も変える、教育モデルを考えよう!」。不登校や塾に通えない子どもたち、勉強が遅れてしまっている子どもたちに向けて無料学習サイト「eboard」を運営している NPO法人eboard 代表の中村 孝一さん、途上国の教育課題を若者の力で解決することを目指す e-Educationプロジェクト 共同代表の三輪 開人さん、そしてデジタルハリウッド大学大学院 専任教授の佐藤 昌宏さんといった、国内外で教育課題に対して最前線で向き合っているお三方の講演がメインでした。

司会を務めたのはe-Education岡本さんでした

eboard中村さんは「”教育格差”の存在を知ってもらえれば…」という想い。「一緒に教育問題を解決していきたい」と語るe-Education三輪さん。そして、そんな2人を応援したいというデジハリ佐藤さん。お三方の講演内容を簡単にまとめてみようと思います。
 
 

■テクノロジーを活用して学習効果をどう高めるか
(デジタルハリウッド大学大学院:佐藤 昌宏 氏)

 
佐藤さんの講演は一言で言えば、「EdTech(Education × Technology)分野のトレンド変遷を網羅したもの」でした。デジタルテクノロジーによって教育はどのように変わってきたのか。今、教育の世界で起こっていることとは。そして、これから先はどのような未来が待ち受けているのか。

90年代からIT革命の話から始まり、梅田望夫さんの ウェブ進化論 について、コンテンツ無料化の流れ、オープンコースウェア(OCW)、そしてMOOCsの最新状況まで。ここ十数年の変化をダイジェストで説明してくれました。

※佐藤さんが2013年3月にschooで講師をされた時のスライドですが、今回のイベントではこのスライドの前半部分をベースにお話しされてました。
 

中でも個人的に特に興味深かったのは、The Principles of AI に関する話でした。MITメディアラボ所長の Joi こと伊藤 穰一さんが考える「AI(After Internet)の時代に求められる9つの基本原則」。その最後にあるのが “Learning over education”(教育を越える学び) ということで、「どのように学ぶか」がより重要になるというのは非常に納得感がありますよね。

<参考記事>

伊藤穰一:逸脱からはじまる「学び」の実践
http://www.academyhills.com/note/opinion/13071902mitjoi.html

伊藤穰一:学ぶべきは、「何を学ぶか」ではなく、「どうやって学ぶか」
http://wired.jp/2013/01/01/vol5-joiito/

 
また、佐藤さんが主催しているEdTech JAPAN Pitch Festivalの簡単な紹介も。次回は2月8日(土)のようです。ご興味をお持ちの方はぜひ。

■EdTech JAPAN Pitch Festival紹介ムービー

<参考URL>

EdTech JAPAN Pitch Festival vol.4@2月8日(土)
http://edtechcamp-0.peatix.com/

EdTech JAPAN Pitch Festival 第1回のピッチ動画まとめ
http://edtech-media.com/2013/07/13/edtechjapanpitchfestival/

 
基調講演の最後に、EdTech分野の最前線に身を置いている佐藤さんの口から、このようなメッセージがありました。

「ビジネスになること。
 そして、学習効果の証明(行動変容を起こすこと)が必要になる。」

おっしゃるとおりだなぁと思ったので、思わずメモ。ここ1〜2年くらい、EdTech分野はかなり話題になりましたが、本当に多くのスタートアップも立ち上がってますし、淘汰も進みそうですよね。ビジネス、そして学習効果の証明。この分野の課題に立ち向かうプレーヤーの皆さんにとって、再度気を引き締められるメッセージだったのではないでしょうか。
 
 

■学びをあきらめない社会へ
(NPO法人eboard代表:中村 孝一 氏)

 

続いて、NPO法人eboard代表の中村さんが登壇されました。恥ずかしながら僕はこのイベントに参加するまで、NPO法人eboardの名前を耳にしたことがある程度で、活動内容はほとんど知りませんでしたが…不登校や塾に通えない子どもたち、そして勉強が遅れてしまっている子どもたちに向けて、無料学習サイト「eboard」を開発・運営している中村さん。

当初は頑張ってつくった動画の再生回数が数回という、辛く悲しい暗黒時代が続いたものの、今では制作本数は1,200本を越え、累計170万回も再生されるまでになったとのことでした。


 
■NPO法人eboard中村さんがEdTech JAPAN Pitch Festivalに登壇した際の動画

時間換算すると、これらの動画による学びはなんと約14万時間!まさに「継続は力なり」というか、地道に動画をつくり続け、コツコツと積み上げてきた実績の重みを感じる数字です。
 
■板書形式ではなく、個別に教えるような方式で写真や画像をふんだんに使っている様子

「となりで教えてくれているような感覚で親しみやすい」
「語り口が面白くて、発達障害のある息子でもわかりやすい」

また上記のように、中村さんのもとには毎日様々な声が届いているとのこと。勉強の苦手な子どもを想定した教材づくりが魅力になっているということが、この動画によって確認になりました。映像教育の可能性を実感できるかと思います。ぜひ動画をご覧ください。
 
 

■だから私たちは、チャンスを作りたい
(e-Educationプロジェクト共同代表:三輪 開人 氏)

 

最後に登壇したのは、e-Educationプロジェクト共同代表の三輪さんです。以前この記事で、e-Educationがどのような団体かをご紹介させていただきました。

<参考記事>
SVP東京の新たな協働先「e-Educationプロジェクト」に関わることになりました
http://atcafe-media.com/2013/10/28/svp-eeducation/

e-Educationが教育課題の解決に取り組むきっかけになったのは、バングラデシュの教育格差を目の当たりにしたから。「教育」は、子どもたちの可能性を切り開き、より良い社会をつくるための大切な土台になるのは間違いないのですが、バングラデシュでは40,000人もの教師不足が叫ばれています。優秀な先生は都心部に引き抜かれてしまうため、特に貧しい農村では先生が不足しており、大学入学試験に合格することが困難とのこと。


 
■三輪さんがEdTech JAPAN Pitch Festivalに登壇した際の動画

バングラデシュの農村で出会った高校生たちに夢や大学進学について訪ねたところ、こんな答えが返ってきた…ということを語ってくれた三輪さんの表情が印象的でした。

「僕は貧しい家に生まれたから、諦めるしかないんだよ」

生まれた場所が偶然バングラデシュの農村だったが故に、自分の夢、勉強の道を諦めてしまっている若者たち。そんな彼らに、DVDによる映像教育を届けているのがe-Educationです。いつでも、何回でも、一流の先生の授業を受けることができる。何回でも見れるから、たとえ1回でわからなくても、2回目、3回目でわかるから、勉強の遅れを取り戻すことができる。思った以上に喜んでもらえたというのが、三輪さんの当初の感想だったようです。

だからこそe-Educationは、機会の格差をなくし、チャンスを広げるため、教育プロジェクトを世界各国で展開しているのです。

<参考記事>
私たちが目指す教育支援とは、機会の格差をなくし、チャンスを作り続けること
http://eedu.jp/blog/2013/12/22/credo1_chance_maker/

 
そんなe-Educationがバングラデシュで活動を始めたのは2010年。以来、マヒン(アブドゥル・シェイク マヒン)という青年が現地リーダーとして、夢を追う高校生に教育を届けるために走り続けてきました。そして現在、これまで約4年間にわたって蓄積してきた映像授業のノウハウを生かして、バングラデシュの中心産業であり、最も深刻な課題である「農業」分野に革命を起こすべく奔走しているのがマヒン。バングラの農業を変える方法はまだ見つかってはいませんが、チャレンジした人もまだほとんどいない状況の中、強い想いを持ってチャレンジしている若者こそ、マヒンなのです。

正直なところ僕自身、「e-Educationが農業革命」というのは、最初はあまりしっくりきませんでした。しかし、三輪さんの想いを聴いて、そしてこの記事を読んで、できる範囲で支援していきたいなぁと今では思っています。

<参考記事>
バングラデシュに農業革命を!e-Education最強のパートナー・マヒンが「READYFOR?」に挑戦中!
http://eedu.jp/blog/2014/01/17/e-farming_start/

 
 
ということで、今回のイベントに登壇した「eboard」と「e-Educationプロジェクト」は、クラウドファンディングのREADYFOR?で資金調達に挑戦中です。不登校や過疎地で暮らす子どもたちに映像教育を提供するNPO法人eboardと、途上国の貧しい村で映像教育を提供するe-Educationプロジェクト。以下URLからクラウドファンディング・プロジェクトの詳細をご覧いただければ幸いです。
 
■NPO法人eboard
不登校や過疎地の子ども達へ、格差のない学びを届けたい!!(中村 孝一)
https://readyfor.jp/projects/eboard


 
■e-Educationプロジェクト
バングラデシュに農業革命を!最高の教育を農家たちにも届けよう
(アブドュル・シェイク マヒン)
https://readyfor.jp/projects/e-Farming


 
 
この記事の最後に、まだ見ていない方にはぜひご覧いただきたい動画がまとまった記事をご紹介させていただきます。どれも有名なTED動画です。

<参考記事>
新時代の教育とは?EdTechのトレンドがわかるTED動画5選(日本語字幕あり)
http://techacademy.jp/magazine/637

 
今回登壇されたNPO法人eboard&e-Educationプロジェクトをはじめ、この分野の課題に立ち向かっている団体の取り組みに今後も注目していくとともに、できる範囲で協力させていただければと思っています。

「日本も、世界も変える、教育モデルを考えよう!」イベント参加者の集合写真

 
皆さん、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
 
 
<今回の記事と近いテーマのブログ記事>

【「Edu×Tech Fes 2013 U-18」イベントレポート】
7人の日本を担うスーパー中高生が語る「テクノロジー」と「教育」
http://atcafe-media.com/2013/02/18/eduxtech_fes_2013/

「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられる。」
16歳少女マララ・ユスフザイの国連スピーチ
http://atcafe-media.com/2013/12/31/malala-speech/

「教わる」から「学ぶ」へと変わりゆく世界の教育の最前線
”THE FUTURE OF LEARNING(未来の学校)”
http://atcafe-media.com/2013/01/05/the_future_of_learning/

【イベントレポート】
Room to Read創設者John Wood氏来日講演&ダボス会議でも活躍するリーダーたちのパネルディスカッション
http://atcafe-media.com/2013/04/24/seminar_100th_jinzai/

オープンコミュニティ型の学生寮「チェルシーハウス」
http://atcafe-media.com/2013/12/16/chelsea-house/
 
 

ソーシャルメディアや海外情報など、加藤たけし&佐藤茜( @AkaneSato )夫婦の Facebookページ「@cafe(アット・カフェ)」です。
 


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About The Author

加藤 たけし

ソーシャルメディアのビジネス活用コンサルティングを手がける株式会社ループス・コミュニケーションズ所属。ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)パートナー。日本最大規模の読書コミュニティ・読書朝食会”Reading-Lab”(通称リーラボ)発起人 。1983年生まれ。2006年SFC卒。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」 より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓

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