子育て

生まれてくる赤ちゃんを守るために今、私たちがしなければいけない「風しん予防接種」 #ストップ風疹


※かなり話題になっているのでご存知の方も多いかと思いますが、風しんの予防接種の必要性、特に20代〜40代男性の予防接種の必要性を改めて社会全体で共有する必要があると思い、この記事を書いています。

私自身も先日、妻と2人でMRワクチン(風しんとはしかの2つを予防する混合ワクチン)を受けてきました。問診票の記入も含めて15分程度で終わりますので、ぜひご自身も予防接種を受けるとともに、知人や会社に積極的に広めていただければと思います。

以下ツイートボタンから情報を拡散していただければ幸いです。


 


 

■昨年比34倍!”過去最悪”ペースで感染が拡大する風しん

 
今年の風しん患者数はこの4ヶ月の合計で5,000人を超えており、昨年同時期のなんと34倍にあたります。特に4月以降は週に500人を超えるペースで患者が増えており、感染の拡大に歯止めがかかっていない現状。しかも、春から初夏にかけて増加し、例年のピークは夏頃とのことで、これからさらに多くの発症が懸念されています。

厚生労働省サイト内「啓発ツール」より )
 
何が問題なのかといえば、風しんは「軽い病気」「子どもがかかる病気」という認識が世間に広まっていること。妊娠初期の女性が風しんに感染すると、50〜70%の高確率で赤ちゃんが「先天性風しん症候群(CRS)」になり、白内障、先天性心疾患、高度難聴などの障害が残ってしまいます。目が見えない、耳が聞こえない、生まれつきの心臓の病気を背負った赤ちゃんが生まれてくるのです。

そして、「昔1回かかったから」「接種を受けたから」…という”思い込み”も多いようです。「自分は子どもの頃に風しんにかかった」「ワクチンの接種を受けた記憶があるので大丈夫」というものです。しかし、一回の予防接種では抗体十分作られないケース5%弱あるようですし、時間の経過にともなって抗体が減少するという話も。今のこどもたちが接種を2回を受けてワクチンの効果を高めているのは、こういう理由なようです。

また、風しんに一度かかった人は、生涯風しんにかかることはないと言われていますが、「子どもの頃風しんにかかった記憶がある」という方の中には、実際には「はしか」や「リンゴ病」など別の病気だったにも関わらず、本人や親が勘違いしているケースも少なくないとのこと。「風しんにかかったことがある」と答えた人の血液検査をしたところ、約半数が実際には風しんではなかったという調査結果もあります。以前は医師が症状だけで風しんと診断するケースもあったため、診断が間違っていたこともあり得るのでしょう。
 
 

■「防げたはずのに防げなかった」「”自分のせい”という気持ちが強い」…これ以上広げたくない悲劇

 
NHK クローズアップ現代でも、「たった1本のワクチンで障害が残らないこともあったので、”自分のせい”という気持ちが強い。」という女性の声が紹介されてました。先天性風しん症候群(CRS)は啓発や制度が十分ならほぼ完全に予防ができるので、「本来は防げたはずのに防げなかった」という親や関係者の自責の念は、想像するに余りあります。「不顕性」といって、感染したものの症状が現れないこともあり、この場合は「夫がそれとは知らず妊娠中の妻にうつしてしまい、子どもに障害が残る」という悲劇になる可能性もあるようです。

<参考URL>

風疹大流行 – NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3344_1.html

NHK NEWS WEB ストップ風疹 ~赤ちゃんを守れ~
http://www3.nhk.or.jp/news/stopfushin/

 
現在の風しん患者の90%が成人であり、80%が男性=成人男性です。特に現在34~51歳の男性は、当時の政策で風しんの予防接種を受けていません。また現在23歳から33歳の世代は、予防接種が義務から任意に変わり、接種率が大幅に低下しました。20代〜40代の男性層が事実上のボリュムゾーンとなって広がっていると見られています。

厚生労働省サイト内「啓発ツール」より )
 
また、風しんは発疹が出る3~5日前から感染力があるので、発疹が出てから休んでも拡散防止には間に合いません。仮に風しんを発症した後に、その5日前から接した人の数を思い返しても…後悔先に立たずでしょう。これから妊娠を考えている夫婦、可能性がある男女はもとより、特に20〜40代の男性は、予防接種を受けるともに、知人や会社に積極的に広めていただければと思います。

※自治体によってはワクチン接種の金銭的補助が始まっていますが、自費となってしまうケースもまだまだ多いです。価格は1万円前後と、簡単な出費ではありません。しかし、繰り返しになりますが、CRSは「予防接種で確実に防げる不幸」です。Change.orgで以下のようなキャンペーンもありましたので、ぜひあわせてご覧ください。

<Change.orgのキャンペーン>
赤ちゃんを守る緊急署名!風疹予防接種の完全無料化を
http://chn.ge/135kXYG

 
もちろん、私も署名してツイートしました。

 

<その他参考情報>

大人が風しん・MRワクチンを接種できる医療機関リスト
http://www.know-vpd.jp/feature_fushin.php

風しんについて|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/

風疹 発生動向調査
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/700-idsc/2131-rubella-doko.html

フローレンス、全社員を補助対象とし、風しん予防接種を実施中! | 駒崎弘樹公式サイト
http://www.komazaki.net/activity/2013/05/004304.html

 
 
最後になりますが、「#ストップ風疹」というTwitterハッシュタグもかなり拡散されているようで、ソーシャルメディアを活用した素晴らしい取り組みだと思っています。ご覧いただければわかるように、この記事のタイトルにも入れておきましたので、以下ツイートボタンから情報を拡散していただければ幸いです。


(拡大:厚生労働省のサイト
 
 
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ABOUT ME
加藤 たけし
デジタルマーケティングのコンサルタント。民間企業の週3正社員&文部科学省 大臣官房 広報戦略アドバイザー(非常勤国家公務員)の官×民 複業中。慶應SFC卒。1歳児の父。育休7カ月。准認定ファンドレイザー。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓
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