先週、東京のまだ若いIT起業家の方が自殺したという話を聞きました。その方とは実際にお会いしたことはなかったのですが、数年前からTwitterなどでもよくお見かけしていて、共通の知人も数十人いたので、いつかお会いできるだろうと思っていたのでとても驚きました。
Facebookでその方のアカウントを見たら、最近ドナー登録をされた旨のポストがあり複雑な気持ちになりました。
私も学生時代よく遊んでいた友人を自殺で亡くしたので、上の件をきっかけにまたいろいろと思い出していたのですが、そんな折、日本の自殺をテーマにしたドキュメンタリー映画を見つけました。
全編youtubeに動画が公開されています。
この映画は、アイルランド出身で駐日欧州連合代表部の経済担当官をされているレネ・ダイグナンさんが働きながら休日の時間を使って、3年かけて作ったそうです。
映画に関しては映画祭への出品などビジネスの話も来たけれど、日本に恩返しがしたいから無料で全編公開したとのこと。すばらしいですね。
ダイグナンさんのインタビューがこちらで紹介されています。
EU代表部職員のもう一つの顔は映画監督
映画の完成までには、調査、取材・撮影、編集にそれぞれ1年ずつ合計3年かかった。インタビューした人は95人。撮ったフィルムは100時間にもなった。それを身を削る思いで約1時間の作品にまとめた。登場するのは31人。元警察官、大学教授、ジャーナリスト、僧侶、弁護士、精神科医、そして自殺未遂者など職種も背景もさまざまだ。
「日本のヘルスケアはとても政治的で経済的なので外国人が何か改善しようとするのは現実的ではありません。ただ、タブーの多いメンタルヘルスケアの分野を含めたいくつかの角度から、日本の自殺の問題について、外国人の私がドキュメンタリー作品をつくることで、問題提起をしようと思ったのです」
映画の予告はこちら。
英語のところもあったので簡単に訳をつけておきます。
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戦争の夢を見ている…自殺との戦いの夢を。でも私は誰が敵なのかすら分からない。
タイトル:自殺者1万人を救う戦い
日本で緊急治療室に送られる患者の10%から20%は自殺を図った人たちです。
たぶん、自殺するという発想は、いつも私たち日本人の頭の片隅にあるんです。日本に自殺の仕方のマニュアルが存在するのは自然なことだと思います。
彼ら(マスコミ?)は自殺を、大衆を楽しませる方法のうちの1つだと思っているんです。ここは世界でも有数の自殺の名所です(青木ケ原の樹海の映像)。樹海に関して広告を出さないでほしいし、マスマーケティングしないでほしいし、お金を稼がないでほしい!
借金の問題がものすごく大きいですね。自殺の要因として。
なぜ眼球をアイバンクに売らないのか?なぜ移植に使える腎臓を売らないのか?
東京都の統計を見ると…新宿区の自殺に関して言うと、20代30代が非常に多いです。
見て、あれがブルーライト。ブルーライトを見れば、すべてOKになる。
(※駅ホームにあるブルーライトには飛び込み自殺防止効果があると言われています)
小学校のとき、いじめられていたんです。あの時は真剣に自殺を考えました。
646名の方がここに飛び込んで亡くなっているんですよ。(私たちは)何をしたらいいかって分かっています。しかしまだしようとしない。
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多くの方に見ていただきたい映画でした。51分と少し長めですが、お時間のある時にぜひご覧ください。
【追記】
TownBeginnerさんが映画の上映会イベントに参加してレポートを書いてくださいました。ありがとうございます。
30万人の自殺関係者を救うための10の提言 -映画「自殺者1万人を救う戦い」感想