コラム

【人生を方向付けてくれる動画5選】変化の激しいこの時代に、新たな一歩を踏み出す人たちへ

明日1月14日は成人の日ですね。総務省統計局の人口推計によると、今年の新成人は122万人。総人口に占める割合は0.96%で、昨年に続き3年連続で1%を割り込むこと。ベビーブーム世代が成人してピークを迎えた1970年は246万人だったので、昨年に続いてその半数を下回ります。

また、マクロミル社が2013年に成人式を迎える全国の新成人500名を対象に実施した「2013年 新成人に関する調査」によると、日本の未来について「暗いと思う」「どちらかといえば暗いと思う」が77.4%を占めていたそうです。日本の将来を担う若い世代が減っていってしまっていることをポジティブには捉えられませんし、8割弱の新成人が日本の未来に対してネガティブなイメージを持っていることは、とても悲しいことだと思います。

でも、そんな今だからこそ、新成人の皆さんに届けたいメッセージとして、このブログを書いています。

<参考URL>

統計局ホームページ「巳(み)年生まれ」と「新成人」の人口-平成25年
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi660.htm

マクロミル:2013年 新成人に関する調査
http://www.macromill.com/r_data/20130108shinseijin/index.html

新成人の8割弱が「日本の未来は暗いと思う」–就きたい職業は”公務員”最多
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_740519.html

 

僕自身は今29歳で、成人式から9年が経とうとしています。150人規模のサークル代表、就活支援学生団体のイベント局長などを務めた大学生時代後半の2年間、人材業界での約4年、ITベンチャーで1年、そして現職 ループス・コミュニケーションズ で2年3ヶ月。まだまだ大人としてひよっ子ですが、楽しいことも苦しいことも、この9年間でそれなりに経験をしてきたつもりです。

なので、今年成人式を迎える皆さんに、人生の少しだけ先輩として、僕の人生を方向付けてくれた5つの動画を紹介させていただきます。独断と偏見で選んだもので恐縮ですが、動画再生数や知名度からしても、多くの人の人生に大きな影響を与えた動画と言えるでしょう。

成人の日という人生の節目に、何かしらのお力になれれば幸いです。
 


 

1.セヴァン・カリス・スズキ「伝説のスピーチ@環境サミット1992」

スピーチの書き起こしは こちら
 
1992年にリオデジャネイロで開催された環境サミットにおける、当時12歳だったセヴァン・カリス・スズキ(Severn Cullis-Suzuki)のスピーチです。世界中の首脳が集まるこの会議に、子どもの環境団体の代表として参加し、満場の拍手喝采を博しました。「どうやって直すのかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」という12歳の少女が放った力強いメッセージは多くの人の心に響き、「伝説のスピーチ」と呼ばれています。

また、「セヴァンの地球のなおし方」 という映画が、伝説のスピーチから20年経って日本でも公開されました。以下の記事で詳しく解説してくれているので、お時間がある方はスピーチとともにゆっくり観てみるのもいいかもしれません。

<参考記事>
あのスピーチから20年。原発、気候変動、農業に対して、セヴァン・スズキが送るメッセージ映画『セヴァンの地球のなおし方』
http://greenz.jp/2011/06/16/severn_cinema/

 

2.ランディ・パウシュ「最後の授業」

最後の授業(The Last Lecture)の全文は こちら
 
米カーネギーメロン大学の終身教授ランディ・パウシュが2007年9月18日におこなった、文字通り「最後の授業」の様子です。パウシュは膵臓癌に冒されていて、この「最後の授業」を行った時、余命は3ヶ月と宣告されていました。命の灯火が残り3ヶ月と分かったとして、自分自身が誰に何を伝えるべきなのか、深く考えさせられる動画です。

2008年7月25日、彼は47歳という若さで亡くなりました。「最後の授業」というタイトルでDVDつきの書籍も出版されていますが、最後まで「人を楽しませること」=「自分の喜び」いう生き方をしていたパウシュの「最後の授業」は、ぜひ90分(=大学の授業1コマ分)通して見ていただきたいと思います。

 

3.ティナ・シーリグ「20歳のときに知っておきたかったこと」

2010年に話題になり、大ベストセラーとなった 「20歳のときに知っておきたかったこと 〜スタンフォード大学集中講義〜」 の著者であり、スタンフォード大学でアントレプレナーシップを教えているティナ・シーリグ教授が行った講義の一部です。「誰かが作った会社で他人の基準で出世を待つのではなく、自分で自分を社長にする」という考え方は、まさに今の時代に求められていることだと思っています。

シリコンバレーの成功者の多くは、失敗したことがない人を評価しないと聞きますが、それは十分なリスクをとっていないから。「早く、何度も失敗せよ」という彼女からのメッセージには感銘を受けましたし、常に意識していきたいところです。自分たちの可能性は、自身が思っている以上に広がっているはずですよね。

<参考記事>
20歳を過ぎても遅くない ”勇気ある失敗”を
http://blogs.itmedia.co.jp/socialreal/2011/06/20-5145.html

 

4.デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」

TEDでのスピーチ書き起こしは こちら
 
デレク・シヴァーズが、ある音楽祭でおバカに踊る裸の男とフォロアーに触発されて制作したこの映像は、世界的に著名な TED で放映され、会場総立ちで満場の拍手が起こりました。「最初のフォロワーの存在が一人のバカをリーダーへと変える」というように、フォロワーの重要性を説いたスピーチです。

この動画も今では、関西学院大学・お茶の水女子大学・東洋大学・城西国際大学など、多くの大学や関係機関で教材として使われているとのこと。世の中が少しずつですが、変わってきていることを感じます。
 
 

5.スティーブ・ジョブズ「スタンフォード大学卒業式のスピーチ」

スピーチの書き起こしは こちら
 
最後に、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチも紹介します。このブログでも何度か紹介していますが、このスピーチには僕自身、本当に強く影響を受けています。癌を宣告され、死と向き合ったジョブズの凝縮された言葉の数々が詰まっているスピーチです。

「Connecting the dots.」「Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.」「Stay hungry, stay foolish.」・・・心に響く数多くのメッセージが詰まった、本当に濃密な15分。今までに何度も聴いたスピーチですが、このブログ記事を書きながらも何度も何度も繰り返し聴きました。人生の節目には、やはりこのジョブズのスピーチは必須でしょう。
 


 

変化の激しいこの時代、新たな一歩を踏み出す人たちへ

 
この記事のまとめとして、上記ジョブズのスピーチからインパクトのあった3つのフレーズを拝借し、僕なりに考えたことを書かせていただきます。
 

1.connecting the dots.(点と点をつなぐ)

 
思い通りに人生をデザインすることなんてできるわけがない。本当にそう思います。テクノロジーの進化もあって、自分を取り巻く環境は目まぐるしく変わっていくし、予想もしない出来事が次々に起こります。中長期のビジョンを立てるのはもちろん大切ですが、それ以上に大切だと思うこと。それは、その瞬間瞬間の意思決定に手抜きをしないことです。人生は意思決定の連続なので、その意思決定一つひとつに全身全霊を注ぎこむことが、何よりも大切なんだと思っています。

先を見通して点をつなぐことはできません。僕らにできるのは、将来振り返ってつなぐことだけ。その点と点をつなげてくれるのは、きっと努力でしょう。一瞬一瞬を大切にして精一杯生きていれば、何らかの形で点がつながっていくはずです。

 

2.Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.
(時間には限りがある。だから、誰かの人生を生きることで時間を浪費すべきではない。)

 
時間は有限。誰しもが当然わかっていることです。でもそのことを日常的に意識できている人は、残念ながら多くはないでしょう。「Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.」とジョブズに言われる度に、ハッとさせられます。自分は無駄なことに時間を使ってないか、と。一瞬一瞬を本当に大切に生きたと、胸を張って言えるか、と。

人は知らず知らずのうちに、周りの影響を受けて時間を過ごしてしまいます。他の人の意見や考え方はやはり気になるものですし、自発的に動いていると自分では思っていても、実はそうではないというような場合も多いので、難しいところです。でも、自分自身の内なる声をかき消されないように。そして、自分の心と直感に従う勇気を持って行動できるように。家に帰ってから、微笑みながら眠りにつけるような毎日を過ごしたいと思います。

 

3.Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ、愚かであれ。)

 
これはもう、言葉のままでしょう。元マイクロソフト日本法人社長の成毛さんも言っています。大人げない大人になれ!って。

僕はどちらかといえば、物事を真面目に考えてしまう方のタイプだと思います。「Stay hungry, stay foolish.」改めて、心に留めておきたい言葉です。
 
 
 
・・・気がつけばかなりの長文になってしまいました。明日1月14日に成人式を迎える20歳の方たちへのメッセージのつもりでこの記事を書いてきましたが、改めて実感したのは、このブログ記事がそのまま自分自身、加藤たけしへのメッセージになっているということです。

僕は20歳を過ぎてから、これらの動画に出逢いました。「もっと早く、学生時代に知っていれば…」と思うものばかりです。たとえ20歳を過ぎているとしても、できるだけ早くこれらの動画に接して、考えて、行動してほしいと思っています。

初心を忘れてしまわないためにも、僕自身、これらの動画を定期的に見て振り返るようにします。僕にとっては1月14日は節目ではありませんが、小さな宣言として。
 
 
<補足>
成人の日の14日(祝)は全国的に雨や雪で、九州から関東の太平洋側では風が強まって荒れた天気になるようです。新成人の皆さん、お気をつけて!
 
 
 
<最近アップした@cafe(アットカフェ)の記事>

【サンフランシスコ滞在レポート】
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【まとめ】「教わる」から「学ぶ」へと変わりゆく世界の教育の最前線をフィーチャーしたWIRED教育特集”THE FUTURE OF LEARNING(未来の学校)”
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年始にふさわしい5つのTEDトーク【スーパープレゼンテーション新春スペシャル】
http://atcafe-media.com/2013/01/04/ted_talk/
 
 

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加藤 たけし
デジタルマーケティングのコンサルタント。民間企業の週3正社員&文部科学省 大臣官房 広報戦略アドバイザー(非常勤国家公務員)の官×民 複業中。慶應SFC卒。1歳児の父。育休7カ月。准認定ファンドレイザー。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓
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