コラム

改めて心に誓った”Think different”

1日1時間1分1秒を大切に生きる

10月4日に妻の茜( @AkaneSato )がサンフランシスコへ旅立ち、翌10月5日はスティーブ・ジョブズの1周忌。そして10月9日は”Think different”を掲げた自分たちの結婚パーティーからちょうど1年でした。

ジョブズの1周忌に再放送されたドキュメンタリー番組「NHKスペシャル 世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」を見て、やっぱり今の想いをブログに書き残さなければと思い、こうして執筆しています。

倒産直前に打ち出した「Think different」キャンペーンのCMに見るAppleの原点

He did.

iMac、iTunes、iPhone、iPadをはじめ、芸術作品にもたとえられる数々の製品を世に送り出したジョブズ。そんなジョブズがAppleのCEOとして再登板した1997年にスタートした「Think different」キャンペーンのCMは、何度見ても本当に心に響きます。

1997年のAppleといえば、Windows 95との激しいOS戦争に敗れ、製品の乱造で自らを見失い、倒産寸前の危機にまで追いやられていた時。そんな状況の再登板で、もう1度「自分たちの原点は何か」「Appleというブランドとは何か」を思い出させるために作られたCMです。
 
「Appleがどんな会社か、自分たちがどんな人間かを示すのに一番効果的なのは、我々がどんな人々をヒーローと考えているか見せるのが一番良いと思った」と語るスティーブ・ジョブズ。

このCMでは、アインシュタインやトーマス・エジソン、キング牧師、ガンジー、ピカソ、ジョン・レノン、モハメド・アリといった、時代に一石を投じた人々の映像が映し出され、このようなナレーションが流れます。

Here’s to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers.
クレイジーな人たちがいる。 反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。

The round pegs in the square holes. The ones who see things differently.
四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。

They’re not fond of rules, and they have no respect for the status quo.
彼らは規則を嫌う。 彼らは現状を肯定しない。

You can quote them, disagree with them, glorify and vilify them.
彼らに心を打たれたり、反対したり、賞賛したり、けなしたりすることはできる。

About the only thing you can’t do is ignore them because they change things. They push the human race forward.
しかし、彼らを無視することは、誰にもできない。 なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。

And while some may see them as crazy, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.
彼らはクレイジーと言われるが、私たちは彼らを天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから・・・・

 
もう何度も何度も繰り返し見ているはずのCMなのに、先日のNHKスペシャルの再放送の時も、胸の高なりが抑えられませんでした。それくらい、心に響くメッセージでした。
 
どん底にいたAppleの経営を引き継いだスティーブ・ジョブズ。自身が設立したPixarの「トイ・ストーリー」が地上派テレビ放映のタイミングに合わせて「Think different」のCMを制作したものの、当時このCMを見た人のほとんどは「瀕死の会社が何を言ってるんだ」と思ったことでしょう。

実際、ジョブズはのちのインタビューで「当時のAppleの評価は“倒産の90日前”だった」と語っているとのこと。
 
経営的に厳しいだけではなく、ジャーナリストから叩かれ、それこそファンからも見捨てられていた…そんな倒産直前の状況から時価総額世界一まで、そんな途方も無い道のりを歩んできたAppleの原点は、間違いなく「Think different」なはず。

ジョブズがAppleのCEOに復帰してすぐのCMは、まさにAppleの創業理念をそのまま表現したものなのです。

「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」という座右の銘に加わった変化

読書朝食会Reading-Lab(通称リーラボ)では、一人ひとりの本に対する想いが少しずつ集まり、大きな輪となって、656,000円(発展途上国への図書館2つ分)に。

Appleの哲学を再度思い起こさせてくれたジョブズの1周忌、そしてNHKスペシャルの再放送。「僕にとっての原点は何だろう」と改めて考えてみると、同じくちょうど1年前、結婚パーティーで誓ったことがそれにあたります。
 
そもそも、僕自身の座右の銘は、ずっと前から「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」ということです。大学時代のテニスサークルの代表だったり、就活支援学生団体のイベント局長だったり、新卒で入社した会社の採用担当だったり、プライベートで力を入れてきた読書会の活動 だったり…これらは全て、「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」ための取り組みだったんだなぁと思います。

当時はそんなに深く考えてませんでした(苦笑)が、今思い返すと点と点とがつながります。
 
「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」と言葉にして明言する前から、僕自身の心はそのことをわかっていたかのようです。

みんなで積み上げた寄付に対するRoom to Readからの感謝状。
隠しているのは僕の住所です。ご了承ください(笑)

その座右の銘に変化が加わったのが、ちょうど今から1年前、2011年10月9日の結婚パーティー でした。

「ひとりじゃできないこと、みんなでやる」ことを目指す前提として、まずは「ひとりじゃできないこと、ふたりでやる」、このことが何よりも大切だと気づくことができたのです。
 
みんなでやるのもいいけれど、その前にまずは、一番大切な存在である妻の茜と一緒にやること。
「この笑顔は何倍にもなるし その涙は二人で÷2」という僕の好きな曲の歌詞がありますが、まさにそういうイメージで、互いに手を取り合って協力し、それぞれの強みを活かしながら弱みを補い合って、2人でしかできないことをやっていきたいと強く思いました。

これが僕にとって、そして僕ら夫婦にとっての原点です。
 
 
結婚パーティーから1年が経ったこのタイミングで、東京とサンフランシスコ、遠く離れた暮らしになってしまいましたが、この原点の想いを忘れず、お互いが1日1日を大切に過ごしていれば、「2人でしかできないこと」の可能性はさらに広がってくれるはずだと信じています。
 
思い返せば2年前の入籍直後、妻がニューヨークに新婚留学(?笑)した際も、離れて過ごした期間はやはりとても寂しかったのですが、帰国して一緒に暮らすようになってからは、本当に心強いパートナーだなぁと実感しました。

その時と同じようなイメージで…お互いにとって修業期間のような感じでしょうか(^^;)3ヶ月後が今からすごく楽しみです。僕も年末はサンフランシスコに行く予定ですし!
 

ジョブズの訃報が日本中を駆け巡った2011年10月6日の夜、NHKの取材で僕自身が答えたこと。今でもすごく印象に残っています。

その場で急遽質問されたことなので、考える時間もなく…でもだからこそ、心の底から思っていることを口に出したんだと思っています。

Q.スティーブ・ジョブズに影響を受けて、一番変わったことは何ですか?
(NHKアナウンサー)

改めて心に誓った”Think different”

この想いは、今も全く変わりません。僕も2013年で節目の30歳となりますが、これからも変わらず、1日1時間1分1秒を大事に生きて、自分自身の哲学を貫き通したいと思います。
 
 
また、この記事の執筆を進めながら、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチも再度聴き直しました。

このブログでももう何度も紹介していますが、このスピーチには僕自身、本当に強く影響を受けています。癌を宣告され、死と向き合ったジョブズの凝縮された言葉の数々が詰まった15分です。

「Connecting the dots.」「Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.」「Stay hungry, stay foolish.」・・・心に響く数多くのメッセージが込められた、本当に濃密な15分のスピーチ。

今までに何度も聴いたスピーチですが、この記事を書きながらまた何度も何度も繰り返し聴いてしまいました。人生の節目となる瞬間には、やはりこのスピーチは必須です。

「ひとりじゃできなかったけど、ふたりだからできた」を積み重ねること


この記事の最後に、これからの加藤たけし&佐藤茜夫婦の話をしたいと思います。

”Think different”な結婚パーティーを終えて という記事でも書いたとおり、去年の結婚パーティーでもお話しさせていただいたのは、僕ら夫婦の原点である「ひとりじゃできないこと、ふたりでやる」というテーマ。そしてそんな僕らにとっての”Think different”は何なのか。

Appleの”Think Simple”ではありませんが、僕らの想いはすごくシンプルです。「ひとりじゃできないけど、ふたりだからできた」と言えるようなことを、少しずつでも着実に、やっていきたいと思っています。
 
加藤たけし&佐藤茜の2人だからこそできるような新しい価値を世の中に生み出すこと、それはそのまま僕らにとっての”Think different”だと言えるでしょう。

当たり前のやり方・考え方ではなく、常にクリエイティブで”Think different”なやり方・考え方、そして生き方を体現していくつもりです。今回の妻のサンフランシスコ行きも、入籍直後のニューヨーク留学も、その一環だと考えています。

3年前、サンフランシスコのテック・ミュージアムにて

普通に考えたら、「結婚=可能性が狭まる」というのがほとんどでしょう。「結婚は人生の墓場である」なんて昔から言いますし。

結婚すると様々なことに束縛された生活を余儀なくされる?財布の紐は握られるし、休日には家族サービスもしなきゃいけないし、そのうえ子供まで生まれたら…なんて声も耳にします。
 
でも、それは断固否定したいです。僕は「結婚=人生の墓場」なんて図式、絶対違うと思ってます。1+1が2以下なんて、全く信じられません。

1+1が3にも4にもなる。もっといえば、相乗効果によって100にも200にもなる。「ひとりじゃできなかったけど、ふたりだからできた」といつも思えるような、そんな夫婦を目指します。
 
入籍直後のニューヨーク留学も今回の渡米も、一般的にはまだまだレアな流れなのかもしれませんが、まぁなんというか、僕らっぽいのかなと思ってますし(笑)

<参考:妻もこんな風に考えているようです>
これからの時代の結婚のバイブル 〜2人が「最高のチーム」になる― ワーキングカップルの人生戦略

<参考:結婚している友人の留学のきっかけにもなれたようで嬉しい!>
福岡ステキ女子、NYへ…てか、夫はどうする編

 
そんなことを言いながら、東京とサンフランシスコとの時差に苦しみつつ、いろいろなツールを使いながらコミュニケーションを試みているのが現状の僕らです。

不思議なもので、2年前のニューヨーク留学の時はSkype比率が100%だったんですが、今回のサンフランシスコはLINE、Google+ Hangouts、Skype、そしてFacebookを併用したりしています。2年間の時の流れを感じる事実(笑)
 
ともかく、10月4日に妻がサンフランシスコへ旅立ち、翌10月5日はスティーブ・ジョブズの1周忌。そして10月9日は”Think different”を掲げた自分たちの結婚パーティーからちょうど1年ということで、今の想いをブログに書き残してみました。

かなり自己満な文章になってしまったかもしれませんが、大目に見てやっていただけると幸いです。


「ひとりじゃできないことをふたりでやる」ことによって、今はないかもしれないけれど、もしかしたらもっと幸せな選択肢になり得ることを実践し、背中で見せていくこと。

僕ら2人でなければできないようなことをやり、僕たちらしくあり続け、生きた証をこの世に残すこと。

これを僕たち夫婦なりの”Think different”として改めて心に誓い、この記事を終わりにしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

僕たち夫婦2人をこれからもどうぞよろしくお願いします。

<参考URL>

”Think different”な結婚パーティーを終えて

サンフランシスコ・シリコンバレーで感じた「未来」【講演スライド】

発展途上国に図書館が2つ建ちます! ~小さなアクションの積み重ねが大きな意味を持ったとき~

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加藤たけし&佐藤茜(@AkaneSato)夫婦2人の情報発信

インターネット、マーケティング、テクノロジー、コミュニティデザイン、NPO、地域活性、海外、新しい働き方などのテーマにおいて、加藤たけし&佐藤茜( @AkaneSato )の夫婦2人で情報発信しています。

更新情報は以下からもぜひ。

ABOUT ME
加藤 たけし
デジタルマーケティングのコンサルタント。民間企業の週3正社員&文部科学省 大臣官房 広報戦略アドバイザー(非常勤国家公務員)の官×民 複業中。慶應SFC卒。1歳児の父。育休7カ月。准認定ファンドレイザー。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓
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