社会

変わる住まい方、シェアハウスの現状とこれからのコンセプト型シェアハウス

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■注目を集めている新しいライフスタイル「シェアハウス」

近年、注目を集めている新しいライフスタイル「シェアハウス」。家賃を抑えるためというよりは、価値観の合う人と理想のライフスタイルを実践するための手段として、少しずつ普及してきています。住民同士で持っているスキルや情報を共有したり、様々な価値観に触れることを目的としたシェアハウスは、まさに新しいライフスタイルです。欧米ではコスト低減のためにシェアハウスを選択する傾向が強いですが、日本では逆に、多少家賃が上がることは厭わない、現代人のライフスタイルに寄り添ったカタチのシェアハウスが広まっているというのは、非常に興味深い事実です。

もちろん、海外生活経験者を中心に、以前から日本国内でシェアハウスに住んでいる人も一定数はいます。しかし今までは、シェアハウスに住むために必要な手続きが多く、大家さんとの交渉や同居人同士のいざこざなどから、広く一般に普及するには至りませんでした。そんな中、近年ではソーシャルアパートメントやひつじ不動産、オークハウス、ReBITAなどの台頭もあり、シェアハウスに住むという行為そのもののハードルが一気に低下。この「シェアハウス事業に取り組む企業の増加」は大きな要因でしょう。シェアハウスは関東圏だけでも1000件以上の規模と言われており、大型物件も多数。その広がりはさらに加速しています。

<参考URL>

”世界が広がる”居住スタイル「ソーシャルアパートメント」
http://social-apartment.com/

オシャレオモシロフドウサンメディア「ひつじ不動産」
http://www.hituji.jp/

ゲストハウス・シェアハウス「オークハウス」
http://www.oakhouse.jp/

シェアハウス、ゲストハウスはシェアプレイス「ReBITA」
http://www.share-place.com/

■価値観の変化に伴い、変わってきた住まい方

「シェアハウス」というスタイルはかなり浸透してきているものの、まだまだ少ないのは、明確なコンセプトを持ったシェアハウスです。人々の価値観の変化によって、「シェアハウス」そして「豊かさ」という言葉の意味そのものが再定義されるようになってきたのであれば、そのライフスタイルに合わせたコンセプト型のシェアハウスがもっと出てきても不思議ではないと考えています。

トウキョウでいーなか暮らし「やかまし東京シェアハウス」、新職感シェアハウス「まれびとハウス」、昼夜逆転シェアハウス「トーキョーよるヒルズ」などは、住人が物件探しから時間と労力をかけて始めたシェアハウス。2010年〜2011年にかけて、大手メディアで多数取り上げられたこともあり、ご存知の方も多いでしょう。熱い想いを持った20代の若手が中心となっているコンセプト型シェアハウスは、人々の価値観の変化やシェアハウス関連企業の台頭などに伴って、これからももっと増えていくはずです。

<参考記事>

【UST報告】「シェアハウス」という居住スタイルの今とこれから
http://blogs.itmedia.co.jp/socialreal/2011/11/ust-7c9e.html

子育て、起業、国際交流。ライフスタイルに合わせたさまざまなコンセプト型シェアハウスをご紹介!
「新作シェア物件から考えるこれからの住まい」
http://greenz.jp/2012/03/03/concept_sharehouse/

<参考URL>

トウキョウでいーなか暮らし「やかまし東京シェアハウス」
http://take1204.blog7.fc2.com/blog-entry-586.html

新職感シェアハウス「まれびとハウス」
http://www.mare-bito.net/

昼夜逆転シェアハウス「トーキョーよるヒルズ」
http://yoruhill.com/

■仕事・暮らし・遊び・情報を共有するライフスタイル

僕が知っている中で、住んでみたいと一番強く思っているのはこの THE SHARE です。かなり話題になったのでご存知の方も多いかと思いますが、2012年1月に原宿にオープンした、ショップ・オフィス・アパートメントの3機能がひとつになったシェア型複合施設。デザインコンセプトは「Simple Vintage」ということで、仕事・暮らし・遊び・情報を共有する新鮮なライフスタイルを過ごすことができます

https://www.the-share.jp/

6F建ての1Fには、コミュニティ性やカルチャー性の高いカフェやスタジオなど。地域や入居者の交流の場となるようなイベントも行われているようです。2Fはシェアオフィスフロアで、3〜5Fは完全個室のアパートメントフロア。そして6Fが個人的な一押し、コミュニケーション・ラウンジです。広々としたキッチンやシアタールーム、ライブラリーなどが集約されてます。Wifi完備で打ち合わせも可能ですし、食後はのんびりと映画を観たり、ハンモック(!)で本を読んだり・・・普通の家に住んでいては絶対に経験することができないようなライフスタイルを過ごすことができる空間でしょう。雰囲気はこの写真の通り。

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原宿、明治神宮前、外苑前、北参道、千駄ヶ谷、表参道などが徒歩10分圏内で、代々木公園や新宿御苑にも近いという抜群のアクセス。しかもなんと、僕はオフィス(ループス)まで徒歩10分以内、妻もオフィスまで20分以内という抜群の立地だったので、本当に住みたくて昨年11月に検討したのですが・・・1部屋1人入居が原則ということで、残念ながら断念しました(泣)多くの友人が住んでいるので、ちょくちょく遊びに行かせてもらっていますが(笑)

<参考記事>
オフィスも住居も!原宿に誕生するシェア型複合施設「THE SHARE」
http://ow.ly/9r8pE

■これからのコンセプト型シェアハウス

前置きが長くなりましたが、今回の記事では、僕自身が「こんなのがあったらいいな」と思うコンセプト型シェアハウスのイメージをまとめます。共感してくださる方がいらっしゃれば、ぜひFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア経由でご連絡をいただきたいですし、一緒にイメージをブラッシュアップさせて、なんとか実現させたいところです。コンセプトの組み合わせとかもありだとは思うのですが、とりあえず今回はシンプルに、3つのアイディアに絞ることにします。

1.「カウチサーフィン」シェアハウス

自分自身の住む家が、世界中の人と出会うプラットフォームになったら、すごくワクワクしませんか?駅前留学ならぬ、在宅留学のようなイメージです(笑)カウチサーフィンを使って海外旅行者を迎え入れるための空間を用意しておけば、自宅にいながら世界中の人たちと出会うことができます。その国の文化に触れたり、逆に日本文化にも否が応にも詳しくなります。英語を使う日常になり、世界中の料理を味わう・・・自宅にいながら、国籍や年齢の異なる世界中の人たちと交流できる、そんなシェアハウスです。

※Couch Surfing(カウチサーフィン)
旅行の新スタイル、経験者が語る「カウチサーフィン」の魅力と注意点
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1104/05/news002.html

世界一周旅行にもすごく行ってみたいのですが、時間的にもコスト的にも厳しいのが現状。平日の夜や週末だけでも、カウチサーフィンで世界中の人たちと異文化交流してみたいものです。

2.「プロボノ」シェアハウス

サービスグラントのプロボノラウンジ、嵯峨さんがプレゼン中。プロボノ先進国アメリカの、タップルート訪問記など。

ビジネスパーソンが仕事を通じて培った知識やスキル、経験を活かして社会貢献するボランティア活動のことを指す「プロボノ(Pro bono)」。帰宅後の時間や週末のオフの時間を、それぞれプロボノで支援し合うようなシェアハウスがあったらいいなと思っています。子育て支援やキャリア支援、環境保護など、様々な社会的課題が顕在化していますが、そのような社会的課題を解決するための調査分析、連携・協働の基盤となるようなシェアハウスのイメージです。ある程度共通の問題意識のもとに集った集団であれば、情報交換やスキル共有の意義も大きいのではないでしょうか。その中で切磋琢磨することは、本業にも必ずプラスになるはずです。

僕個人としては、教育・地域活性・コミュニティなどに興味があります。そのようなテーマのプロボノ集団を結成しても良いのですが、それであればシェアハウスで一緒に住んだ方が、より刺激的で充実するのではないかと思っています。もちろん、プライベートの時間は確保しますが(笑)

3.「夫婦」シェアハウス

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半年前の結婚パーティー からずっと言い続けていますが、夫婦シェアハウスは、できれば2012年内にでもスタートしたいと考えています。シェアハウスというスタイルはかなり普及してきているものの、それはほぼニアリーイコールで単身者向け。カップルや夫婦になった途端、選択肢が急に狭まっている現状に問題を感じています。

もちろん、夫婦シェアハウスの方が絶対幸せだとは言い切れません。でも、幸せな選択肢にはなり得るはずです。選択肢を選ぶかどうかはケースバイケースですが、選択肢を知らない、もしくは選択肢が存在しないと、そもそもその生き方も選べません。「今はない選択肢かもしれないけれど、もしかしたらもっと幸せな選択肢になり得ること」を実践し、背中で見せていくこと。僕が妻と一緒にしていきたいことです。そのためにもまずは夫婦シェアハウスを実現し、新しい選択肢の一つとして広めていきたいと思っています。

<参考記事>

これからの時代の結婚のバイブル:2人が「最高のチーム」になる― ワーキングカップルの人生戦略
http://blog.livedoor.jp/akanesato/archives/51241179.html

”Think different”な結婚パーティーを終えたご報告
http://blogs.itmedia.co.jp/socialreal/2011/10/think-different-112a.html

コンセプト型シェアハウスは、今後さらに加速して増えていくことでしょう。自分が住みたいシェアハウスのコンセプトを企画し、それに対する賛同者を集めることができるサービス Colish(コリッシュ) には、本当に魅力的なシェアハウスのアイディアが多数集まっています。Colish生まれのシェアハウスも出てきていますが、今後も注目していきたいサービスです。

http://colish.net/

上記3アイディアも含め、僕がイメージしているコンセプトに近いものもColishに多数登録されているので、もしかしたらそこにジョインするかもしれません。できれば、今のアイディアをブラッシュアップしてオンリーワンのコンセプトを練り上げ、そこに賛同者が集まるようになると嬉しいのですが(笑)皆さんだったらどのようなシェアハウスに住みたいか、イメージしてみていただけると嬉しいです。

また個人的にも、「コミュニティ」としてのシェアハウスのあり方や、ライフステージが変わった時のシェアハウスというスタイルなどについては、これからも継続して考えていきたいと思っています。僕の場合、「子育て」はそう遠くない未来に想定されるライフステージの変化ですし、子育てシェアハウスは視野に入れておかなきゃ・・・笑

最後に、「こんなシェアハウスがあったら面白そうだなぁ」と思うコンセプトを列挙します。

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・「読書会」シェアハウス
・「勉強会」シェアハウス
・「就活」シェアハウス
・「地域活性」シェアハウス
・「社会的課題解決型」シェアハウス
・「スタートアップ」シェアハウス
・「フリーランス」シェアハウス
・「NPO / NGO」シェアハウス
・「学生団体」シェアハウス
・「ブロガー」シェアハウス

どなたかの参考になっていれば幸いです。こうやって考えると、シェアハウスとコワーキングスペースの歩み寄りは加速しそうですね。両者の中間的な立ち位置のコミュニティが今後増えていきそうな予感がします。

この記事を読んだ方がシェアハウスを始めたり、いつの間にか僕も一緒に住んでいたりしたら、それはそれですごいですし(笑)

ソーシャルメディアや海外情報など、加藤たけし&佐藤茜( @AkaneSato )夫婦の Facebookページ「@cafe(アット・カフェ)」はこちら



ABOUT ME
加藤 たけし
デジタルマーケティングのコンサルタント。民間企業の週3正社員&文部科学省 大臣官房 広報戦略アドバイザー(非常勤国家公務員)の官×民 複業中。慶應SFC卒。1歳児の父。育休7カ月。准認定ファンドレイザー。座右の銘:「ひとりじゃできないこと、みんなでやる。」より詳細なプロフィールや連絡先はこちら ↓
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