子育て

これからの時代の結婚のバイブル:2人が「最高のチーム」になる― ワーキングカップルの人生戦略

最近、特に3.11以降、「これから働き方が変わるとよく聞くようになりました。グローバル化、身雇用と年功序列の崩壊、ソーシャルメディアの普及とフリーエージェント化、などなど。 確かに少しずつですが私たちの働き方とその価値観は変わっていっ ているようです。

しかし、「結婚」はどうでしょうか? 仕事とプライベートは密接な関係があります。 結婚する人が大多数を占める現在、 時間の使い方、お金、住む場所などの生き方を決める際にパートナーが重要という事は明白です。

私の個人的な感覚としては 働き方の価値観は新しくなってきているけど 結婚に関する価値観は古い人が多いような気がしています。 男性から「まだ収入少ないし、彼女はいるけど結婚はまだ先かな…」という言葉を聞くたびに、 その価値観の「古さ」に違和感を抱いていました。
 
また、私の周りには少ないですが、最近、専業主婦になりたいの女性が増えていると聞きます。

2010年、「若年層収入 女性がはじめて上回る」という見出しが日経のトップに出て話題になりました。

「彼女を支えるためにもっと収入を上げなくちゃ!」 と思っていたら実は彼女の方が自分より稼いでいた…なんてことはたくさんあると思います。 現実は変わってきているのに 未だに「昭和の価値観」 を持っている若い人が多いんじゃないかな…という気持ちがありました。

そんな私のモヤモヤした気持ちに答えをくれたのが 2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略という本です。
(ツイッターで「読みたい」 とつぶやいていたら献本いただきました。 英治出版さん、ありがとうございます!)

 
 

■著者は「若手・子持ち・共働き」経営者のお二人

 
著者は株式会社ワーク・ライフ・バランス代表の小室淑恵さんと NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さん。 お二人とも働き方に関してはプロであり プライベートでも子持ちかつ共働きです。 本書の構成は次の通り。

序章 あなたの「結婚観」はバージョンアップしたか?

第1章 コミュニケーション戦略

第2章 時間戦略

第3章 妊娠・出産戦略

第4章 育児戦略

第5章 お金戦略

終章 ワーキングカップルを続けるために

序章で私が上述したような
結婚と仕事に関する変化を様々なデータを用いて解説、 その後、具体的な戦略をお二人の経験を交えつつ解説してくださっています。パートナーとの「すれ違い」を防ぐコミュニケーションの取り方、残業しないで早く帰るための仕事上での工夫、男性による育児休暇の取得について、などなど。

そして章の間にある「コラム」で、 よくあるワーキングカップルのお悩み例にお二人が回答しています 。

 
 

■「大黒柱」ヘッドギア!?

 
具体的な戦略、 ノウハウに関してはぜひ本書をご覧いただきたいのですが
新しい結婚観に関して、名言だと思った部分をご紹介。
 

日本社会の歴史を見ると、
実は夫婦が共働きではない時代のほうが短いんですよね。
専業主婦の妻がいて、夫は二十四時間外で働くというスタイルは、
高度経済成長期を挟んだ、
せいぜいこの50年ぐらいに発生したものです。

(p7)

共働きであれば、夫婦のどちらかがリストラにあっても、
転職や企業をするにしても、
一定期間は相手の収入で生活できるのでリスクが軽減される。
人生に「保険」をかける意味でも、 二人とも働いていたほうがいい。

(p9)

「男が養わねば」という思い込みの強さは、
世間の情報を遮断し、おかしな教えでマインドコントロールする
「ヘッドギア」をはめたかのよう。
僕はこれを「大黒柱ヘッドギア」(笑)と呼んでいます。

(p30-p31)

当時の僕は「結婚=終着点」と捉えていて、
「結婚=お互いが成長するプロセス」という本質にまで
思いが及ばなかったのです。

(p33)

給与が上がらない今の時代、
貯金の額だけを理由にして結婚を先延ばしにするくらいなら、
さっさと結婚して二人で貯金をはじめたほうが合理的です。

(p214)

このように、はっとするフレーズがたくさんありました。

 
 

■「不安だらけの時代でも、2人だったら泳いでいける」

 

私も去年結婚したばかりでちょうどこれからの生活を夫と一緒に考え、作っていっているところでした。まさに今の状況にぴったりの本です。

男性既婚率「年収300万円を境に差」 子ども・子育て白書
というニュースも最近ありましたが、もう年収の増加が今までのような水準に戻る事は無いと思います。だったらもう考え方を変えませんか?と言いたいです。そしてそんな時代に、 この本は新しい結婚のバイブルになると感じました。

これから結婚・出産を考えている方、共働き、育児中で試行錯誤中の方など20代〜30代に特におすすめの一冊です。
以下、本の帯から引用。

「不安だらけの時代でも、2人だったら泳いでいける」

 

<今回の記事と近いテーマのブログ記事>

人生100年時代の生き方と働き方。ライフシフト〜100年時代の人生戦略(書評)

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ABOUT ME
佐藤 茜
2歳児の子育てをしながら編集・マーケティングまわりで活動中。NPO法人ETIC.が運営するDRIVEメディアの編集長。 大学卒業後、人材系ベンチャーで新規事業立ち上げやマーケティングを担当。ニューヨーク留学、東北復興支援NPO、サンフランシスコのクリエイティブ・エージェンシーでのインターン、衆議院議員の広報担当秘書等を経験。 より詳しいプロフィールはこちらから↓
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